宅建業免許を取得するための要件とは?【宅建業免許の前提条件】

実際に会社の実印を作ってみる 宅建業免許申請

会社の法人登記が完了して、次は不動産業をするための宅建業免許を取らないといけません。勝手に不動産業をしたらダメなんです。

今回はそんな宅建業免許を取るための要件を紹介していきます。

宅建業免許を取得するための要件とは?【宅建業免許の前提条件】

宅建業免許を取得するための要件とは?【宅建業免許の前提条件】宅建業免許を取得するための要件はどんなものがあるかというと、基本的には

  • 欠格事由に該当しないこと
  • 事務所の形態を整えていること
  • 宅地建物取引士がいること

の3つに分けられます。この3つをさらに詳しく解説していきます。

特に注意が必要なのは2つ目の事務所の形態要件です。ここで見落としをしていると思っているような状態では免許が下りないということもありますので必ず確認してください。

欠格事由に該当しないこと【宅建業の要件①】

宅建業免許を取得するための要件とは?【宅建業免許の前提条件】

宅建業の免許を申請する場合に必要なことの一つ目は「欠格事由に該当しないこと」です。ほとんどの人は該当しないと思いますので、あまり一つ一つ当てはまるかどうかを考える意味もありませんが、欠格事由は以下のものになります。

免許を受ける個人または、法人の役員または政令の使用人が

  1. 成年被後見人、被保佐人、復権を得ていない破産者
  2. 免許を取り消され、取消しの日から5年を経過していない者
  3. 免許取消処分前に廃業し、廃業届から5年を経過しない者
  4. 禁錮以上の刑に処せられ、その刑の執行が終わって5年、または時効の完成などにより刑の執行を受けることがなくなった日から5年を経過しない者
  5. 一定の罰金刑に処せられ、その刑の執行が終わって5年、または時効の完成などにより刑の執行を受けることがなくなった日から5年を経過しない者
  6. 免許申請前5年以内に、宅建業に関して不正または著しく不当な行為をした者
  7. 宅建業に関して不正または不誠実な行為をするおそれが明らかな者
  8. 暴力団員による不当な行為の防止等に関する法律に規定する暴力団員または暴力団員でなくなった日から5年を経過しない者
  9. 営業に関して成年者と同一の行為能力を有しない未成年者で、その法定代理人が上記1~8のどれかに該当する場合

に該当しないかどうかです。要するに悪いことをした人じゃないかどうかというところになります。

私の場合は交通違反くらいの悪いことしかしたことがなかったので、考える必要もありませんでした。

事務所の形態を整えていること【宅建業の要件②】

事務所の形態を整えていること【宅建業の要件②】

宅建業免許を受けようとするときの条件で一番注意が必要なのはこの「事務所の形態を整えていること」です。

法的には宅建業の事務所には「標識の掲示」「報酬額の掲示」などなどが必要ですが、申請時にはまだ要りません。こういったものは免許が下りてからつける必要のあるものです。免許取得申請時にいるものは・・・

独立したスペースが必要【宅建業免許取得】

不動産業の事務所の要件としては「継続的に業務を行うことができる施設を有する場所」と定められています。具体的には事務所として独立したスペースが必要になります。例えば

自宅の一部を事務所とする場合

  1. 玄関から他の部屋を通らずに事務所に行けるか
  2. 生活部分とは壁で間仕切りされているか
  3. 事務所の用途だけに使われているか

自宅の一部を事務所とする場合

というような条件があります。玄関から入って居住スペースを通って事務所に入るという構造は認められません。

庭に施設を建てて事務所とする場合

自宅の一部屋を事務所にするのは難しいとなると庭に事務所を作ろうという方もいるかもしれません。この場合は、

  • テント張りなどは当然不可
  • プレハブ小屋なども撤去可能なので不可

となっています。基礎工事などがされた大型のプレハブであれば免許取得も可能ですが、簡単に設置できる小屋では宅建業免許は下りないと考えたほうが良いでしょう。

シェアオフィスなどを事務所にする場合

シェアオフィスやコワーキングスペースも宅建業免許の事務所としてはかなり不向きです。条件としては

  1. 入り口から他の事務所を通らずに行けるか
  2. 170㎝以上のパーテーションで明確に区切られているか
  3. 事務所としてのみ使われているか

独立したスペースが必要【宅建業免許取得】

というものがあります。

応接セット・電話の設置が必要【宅建業免許取得】

宅建免許の申請書類の中に事務所の写真を添付するというものがあります。その注意事項に「事務机・ロッカー・応接場所及び電話等の設置がわかるように撮影してください」と書かれています。

前の二つ事務机とロッカーは厳しくチェックされませんが、「応接場所」と「電話」のチェックは厳しいので注意が必要です。

応接セットは机1つと椅子2脚は用意しよう

応接場所は、机1つと椅子2脚以上が必要です

免許審査では「専用事務室内でお客様を接客できるか」を審査するのですが、事務スペースと仕切る必要性自体は特にないようで、机と椅子の応接セットがあればいいようです。

電話は固定電話を用意しよう

電話は固定電話です

携帯電話は不可です。不動産業者の事務所によく置かれている大型のFAX機能付きの複合機は免許の取得には必要ありません。不動産業の実務ではまだまだかなりの頻度でFAXを使うのであったほうが良いとは思いますが・・・。

電話回線が必要【宅建業免許取得】

電話は固定電話が必要ですが、家電量販店で買ってきて置いておくだけではダメです。電話回線に繋がっていないといけません

申請書類にもたくさん電話番号を書くところがあるので、電話回線がつながった後に宅建業免許の申請をしたほうが良いでしょう。

ネットや電話回線の工事は意外と日程がかかるので、早めに予約したほうが良いと思います。工事がまだで回線に繋がっていなくても、番号さえ決まっていれば宅建業の免許申請くらいはできますが、もし工事当日トラブルがあって工事が完了しない場合は、予定していた電話番号を使えない場合もあり、その場合は免許申請も一からやり直さないといけません。

宅地建物取引士がいること【宅建業の要件③】

宅地建物取引士がいること【宅建業の要件③】

当然ですが、宅建業の事務所としては宅地建物取引士がいることが必要です。

事務所に最低1人・業務に従事するもの5人につき1人という条件になっています。

1人で不動産屋を始めるためには自分が宅建士でないといけないということです。

宅建業免許を取得するための要件とは?【宅建業免許の前提条件】:まとめ

宅建免許を取得するためには以下の3つの要件を満たす必要がある

  • 欠格事由に該当しないこと
  • 事務所の形態を整えていること
  • 宅地建物取引士がいること

事務所要件はあまり知られていないし、その割にはチェックも厳しいのできちんと理解しておかないと準備を進めたのに免許が下りないということもある。